移り行く日々

J.Kou


あれやこれや



明日はカラオケの日である。月に2回くらい出かけることにしている。それに明日は新入りのSさんを伴う日である。私はたとえば、カスバの女のような退廃ムードや、さすらい,ちぎれ雲などの情感が好きだが、Sさんは祝い船,さんど笠などのような、陽気で意気軒昂の歌を好む。
ここの教室には、近くの団地から6,7人のご婦人が、10年以上も通っているそうである。何にしろ一筋のものを持つ人は強い。
私の部屋には、新品の登山靴が、ずいぶん前から置いてある。何故登らないのかねと聞かれたら、そこに山が無いからとしか言いようがない。ずいぶん酒を飲むようだが、そこに酒場があるのかねと聞かれたら、黙る他はない。登山、いつか気分が高揚する日を待つことにする。
部屋には更に、男の料理入門2冊、鍋、落としぶた、計量カップ、大さじ小さじ、それに肉じゃがの素が紙包みのまま置いてある。実行の期は充分に熟している。あとは果敢に、台所に立つことである。
昨日のテレビで、タイ国の名ボクサー、ウィラポンのボクシングを見た。6年間無敗の世界チャンプは、しかし日本の新鋭に敗れた。
一昨日は、名画、幸福の黄色いハンカチを見た。紐に連なり、翻る黄色いハンカチは、刑務所帰りの夫、高倉健を待つ妻、倍償千恵子の全身の吐露であり、夫婦のひたすらな愛に涙が溢れた。

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