国家予算は82兆円のみにあらず!


 今まで、国会の予算委員会での与野党攻防の俎上にも登らなかった、政府官僚の既得権益の温床「特別会計」こそ、「国民の年金」「医療福祉」「教育」に使われるべきものである。

国民に知らされる国家予算は2005年度82.2兆円であるが、これはあくまで一般会計であり、このほかに31の特別会計がありその合計額は2005年度で歳入449兆円、歳出412兆円であった。

国家予算の全体像はこの一般会計と特別会計を連結して一体的に管理し論議していかなければならない。この二つの会計の一部重複部分を勘案しても連結歳入275兆円、連結歳出240兆円となる。一般会計のうち、社会保障関係費が24.8%を占める様になったと騒いでいるが、連結歳出でみれば1割にしかなっていない。

その社会保障関係費のうち増加が続いているのは年金給付で医療給付にはここ3年間同じ額の12.9兆円(19.2%)が上程されているのみである。残りは介護保険に2.5兆円などである。

特別会計の歳出412兆円のほとんどは膨大なかつ既得権益化した硬直化した予算として政府与党と官僚の采配のもとに温存されているのである。

この特別会計の5%を経費節減しただけで20兆円の予算が捻出され、全国民の医療費窓口負担を1割にしても数兆円のお釣がくるのである。

諸外国に比して、わが国の医療への国庫支出の貧弱さの故に国民は、負担の増大に悩み、医療機関はリストラなどで困難を乗り越えようとしている。一般会計の器のなかで論議するのはやめよう。特別会計を即刻解体再編すべきである。
 
   
第40回保団連全国定期総会での発言   2006年1月28日