筑後川たより No.7         H11.5.25

 若葉の美しい季節になりました。皆様には如何お過ごしでしょうか。

ところで、1/17私の所属する「ごみリサイクル市民ネットワーク(以下ゴ

ミネット)」の総会にて、ゴミネットの事務局長のまま市議選に立候補したい

という今村由子さんの希望を承認、今村さんに市議として杉谷の水源地を守っ

てもらうことにしました。

 今村さんは二十歳を頭に三人の息子さんのお母さんで、十年程前に埋め立て

予定地問題が起こった頃からこの件に関して反対を唱え、水源地を汚染から守

るために人形劇などでゴミを減らす運動を続けてきました。

市会議員になったら水源地の埋め立て地化のストップなど環境問題は勿論、女

性の立場から人権、教育、福祉、情報公開などに意欲を燃やしているようで

す。無所属で手作りの選挙をしましたが、お蔭様で44人の候補者中7位とい

う高得票で当選させて頂きました。これでこの運動もきっと良い方向へ向かう

のではないかと喜んでおります。

 ところで現埋め立て地が一杯になったとして、この4/1より久留米市はと

うとう菊池市へのごみの搬出を始めました。

これについてはまず昨年11/19の新聞で報道されましたが、2/27の報

道によると菊池水源地帯に最終処分場を持つ産廃業者と契約。詳しくは最後の

コピー参照。

 3/2市議会の傍聴に行きましたが、堀田議員の質問に対しまだ関係自治体

と協議中で公表できない、という市長の答えでした。市議たちが全く知らな

かった訳ではないようですが議会ではなくどこか密室でこっそり準備されてい

た訳で、このように大事な事を市長まかせにしていた議員たちの怠慢とこの巧

妙なやり方に驚きました。(市議会の仕組みにも問題が有るのかもしれませ

ん)

 3/18 この日、市の最終予算委員会で市長がごみの搬出先を発表し予算

が付けられるというので、抗議の意味で今村由子、金原、馬越、福田の四人で

委員会の傍聴を申請したのですが勿論不許可、なぜ何でも密室でなのでしょう。

 例え、今の埋め立て地が年内に満杯になってゴミ収集が出来なくなっても、

それは私たち市民が選んだ市長や市議たちの失政、怠慢によるものですから、

すでにごみの減量に励んでいらっしゃる方にはお気の毒ですが、市民全部で何

とか解決するしかありません。しばらくの間多少非衛生にはなるかもしれませ

んが、これは現代の医療技術などで解決できる問題です。改革に痛みはつきも

のですがこれ以上先送りする訳にはいきませんから一日も早く、全市をあげて

解決のその気にならねばなりません。

「仕方が無い」で水源地をダイオキシンなど有害物質の汚染源にする訳にはい

かないのです。うっかりしてしまったら取り返しのつかない大変な事になって

しまいます。

 それにしても、久留米市民のごみの処理場を久留米の水源地には造れないが

菊池市ならよかろうとは何という神経なのでしょう。菊池の方たちが怒られる

のは当然で、久留米市民として誠に恥ずかしく申し訳ない限りです。地球上ど

この水源地であれNOです。

 3/29 菊池水源地へのごみの持ち出しはぜひ止めて欲しいと言う事で

「筑後川の水源を守る会」「農薬問題を考える会」「筑後川水問題研究会」

「森は恋人の会」の合意を取りまとめ、代表として金原優子さんと二人、市長

室へ抗議に出かけました。その時の抗議文を最後に付けておきますのでぜひご

覧ください。

 3/18 話は前後しますが、この日当会の支援者の方と二人で日帰りで上

京、福岡出身の松本ゆいこ衆議院議員の浜辺秘書のお世話で、環境庁の官房総

務課課長補佐の方に 日本国中ごみに埋め尽くされそうな里山の現状を話し、

利権がからむと市民は勿論もう市町村の手には負えないので、もし海や川、山

や谷が汚染されそうな時、されている時はぜひ環境庁から警告を出したり、山

間とくに水源地帯には処分場などは造ってはいけないという規制を早急にして

もらうようお願いしてきました。

お会いする前は久留米の件は環境庁より厚生省や県のレベルで、という感じ

だったのですが、後では大分前向きになって頂けたように思います。帰宅後、

昨年11/20に岐阜県の御嵩町(名古屋市の水源地を守ろうとして暴行を受

け重傷を負った柳川町長の町)に産業廃棄物処分場問題に悩む26市町村が集

まり「全国産廃問題市町村連絡会」を創られたという新聞記事の切り抜きを御

嵩町役場よりFAXで送ってもらい、お礼状と共に送らせてもらいました。

 ごみ持ち出しへの抗議へ話を戻しますと

市長は留守で環境部の楢原次長が応対されたのですが、抗議文中、単に通知す

るだけではなく法的にはちゃんとクリアしていますとのご指摘でした(当たり

前でしょう!)。

 せっかくですから一時間余りお相手願ったのですが、次に出てきたのは あ

なた方は現予定地はダメだと言われるが何処ならいいのか代替地は?という問

いでした。他に五ヶ、所有った候補地の情報公開さえ一切せず、よく言えたも

のです。

「それを私たちに言うのは筋違いでしょう、まったくの素人が数人集まったと

ころでそんな事が簡単に答えられる訳がない。だからこそ市民が税金を出し

合って市役所をつくり、委託しているのではないか」と言うとうなずいておら

れました。情報を集め調べあげて提供するのが市役所の職員の仕事なのに、

決定・決行までしようとするからこじれてしまった面も有るのではないでしょう

か。

 時々市民のなかにも同じ事を言う人がいて困ります。この件で反対運動をし

ている人たちもみんな税金を納めています、地元の皆さんはそのうえに更に一

人数万円のカンパを出し合って裁判などの運動を続けておられます。反対運動

をしている市民はみんなそうです、先日から私の上京に付き合って下さった方

たちも私も費用はみんな自前です。関心の無い人には信じられない事かもしれ

ません。でも私たちはそれだけの価値の有る事だと思っています。自分たちが

便利に生きてきたツケを子孫に残し、辛い思いをさせたくない、少しでもきれ

いな自然を子孫に残してやりたいのです。

 私はこの問題を少しでも多くの人に正しく理解して欲しい、知って欲しいと

思って毎回下手な作文を書いてこうして配っております。

ダイオキシンなどの人類の存亡に拘わるとさえ言われる有害物質に関する問題

に対して「関心が無い」で済ませられる時代ではありません。これをお読みに

なられました方はぜひ回りの方にも話して下さるようお願いいたします。経済

も福祉も全ては平和と子孫の繁栄が有ってのことではないでしょうか。

水源地のごみ処分場化にはっきり反対の意志表示をする事と共に、私たちにす

ぐ出来る、そしてしなければならない事は毎日の生活から無駄をはぶいて、自

分の出すごみを減らす事です。

 

 三潴に在るエクアールという会社が発泡スチロールやプラスチック類を蒸し

焼きにして油化する設備を10年がかりで開発し、無公害ということでいよい

よ県の認可も得られたので、社長さんの思いの篭もった1号機(一基数千万

円)は久留米市に寄付をしたいと言う事で市と話が進んでいると聞いたのは昨

年のことでした、これでごみの減量が一歩前進すると楽しみにしていたのです

が、先日訪ねてみるとあまりに市の対応が悪いのでとうとう郡山市と話を進め

ているとの事で本当にがっかり。

 この件を次長さんに訊ねますと、「予定用地が建設省の管轄だから*。」

「建設省には問い合わせはしてみたの?」「していない。出来た製品のガソリ

ンを使うとダイオキシンは出なくても二酸化炭素が出て温暖化*。」(車が増

える訳ではない!)。「ごみからプラスチック類を除くと焼却炉内の温度が上

がらない。」(市では1−2年後にはトレーの分別収集を始める予定と聞いて

いたのに、集めたトレーはまたごみと一緒に焼却炉へ行くのでしょうか)。話

が出てからすでに数ヶ月、これでは社長さんが怒るのも無理はありません*。

全くやる気無し、有るのはリサイクルのポーズだけのようです。

ひとこと ぜひ言っておきたいのは、リサイクルやリユース(容器など洗って

何度も使う)には回収などにお金がかかります、しかしそれはダイオキシンを

減らすための必要経費です。しかもリサイクルなどが久留米市の人や会社でさ

れるなら、それに使われたお金はそれなりに市の経済を潤しますから、けして

税金が無駄に使われることにはなりません。

「オンブズパースンくるめ」がこの市議選に先駆けて、市の全候補者に環境問

題にしぼっての公開質問状を出し、その結果が纏まったというのでさっそく見

せてもらいました。まず回答の有ったのが44名中、17名。まじめにご自分

の意見を書き込んで下さったもの有り(殆ど質問の意味が理解できていないも

のも有りました)。適当に?マル・バツを付けただけのもの有り(みんなマル

だけのもの有りました)。オンブズパースンはあら捜しをする不穏団体だと勘

違いをして、抗議文と共に白紙回答をした人有りで、無回答ともども様々に推

察されてなかなか楽しいものでした。

11/28石鹸をひろめ…久留米市民の会の環境講演会。坂下栄先生(医

     学博士)の祖母の代にばら撒かれたダイオキシンは親の体内に蓄積

     されその胎児に移行して、胎児である孫が被害者となるという環境

     ホルモンの害の特異性などの話でした。

12/4 熊本での環境フォーラムに参加、私が杉谷の埋め立て地化反対の

     署名運動を始めた頃、応援するかのようにダイオキシンや環境ホル

     モンのレポートを放送し始めてくれた、私にとっては神風を吹かせ

     たの神様にも思えるNHKの方や日本における環境問題の先駆者と

     もいえる先生方のお話が聞けて幸いでした。

1/17 ゴミリサイクル市民ネットワークの総会(今村さんの市議選出馬)。

1/27 津福女性学級の方達と菊池養生園を見学。やはり私達のしている

     事は間違っていない事を確信。生命の源である水源地を汚染から守ら

     なくてはなりません。

2/6 「第一回 環境ホルモン全国市民団体テーブル・ふくおか」に参加、入会。

2/19 裁判の傍聴(久留米地裁、本訴)、農林省が水の漏れない用水池は無

     い、と。

2/22 裁判、公民館、中山環境部長の証言有り。 2/25 裁判、監査請求)

2/27 久留米市の焼却灰が菊池市に持ち出されるとの新聞報道。

3/2  市議会の傍聴(堀田議員の質問あり)

3/12 澤水市議会議長に「デポジット制度の導入を求める意見書提出」に関する

     お願いを提出。

3/17 ゴミネットの四人で市の最終予算委員会の傍聴を申し込むが不許可に。

     予算委員会にて菊池市へのごみ持ち出しの予算付く。

3/18 支持者のTさんと陳情のため日帰り上京。環境庁、林野庁、厚生省に。

3/26 環境庁、御嵩町、浜辺さんに切り抜きとお礼状。

3/29 金原さんと、市長宛に菊池市へのごみ持ち出しに対する抗議文を提出。

3/30 裁判の傍聴(双方代理、交換地の調査と市の協力)、県庁へ挨拶に回る。

4/1  菊池市へのごみ持ち出し始まる。

4/11 県会議員選挙(生命を守る会事務局、松尾さん)

4/17 「廃棄物処理施設問題全国シンポジュウム」(ゴミ弁連第2回)に初参加