筑後川たより no14      H14.5.3

皆様にはお元気で日々ご活躍の事と存じあげます。

さっそくですが、私達は「久留米市・寺尾谷ゴミ処分場建設計画の中止を求め

る要望書」(白石勝洋・久留米市長宛)の署名運動を行なう事になりました。

お忙しいと存じますが生命の水を守る為にぜひご協力をお願い致します。

理由は 

1)寺尾谷は筑後川の水源地の一つであり、すぐ下流の筑後大堰付近で取

 水された 水は福岡・佐賀合わせて約300万人の飲料水となっています。

   

2)ここに埋め立てられるものはダイオキシン等の猛毒を含む焼却灰と不

 燃物であり、産業廃棄物さえ持ち込まれる恐れが有ります。(15年間に

 20万立方メートルを埋め立てる予定=公称)

3)造るなら、特に堅牢で耐久性に優れた施設でなければいけないにもか

 かわら ず、ここには大断層が在りとてもそのような施設の造れる処では

 ありません。

(予想通り、工事によって断層とその破砕帯とが表れました。)

4)施設から危険物が流れ出たり地下水を汚染した場合(既に実例が有り

 ます)、 住民や筑後川の水を飲んでいる人々の被害やその補償の為の費

 用及び、施設の 修理や危険物処理の為の税負担は想像もつきません。

5)本事業を発注した時の予算は約40億円となっていますが、これには

 断層に対 処する費用は含まれていず、最終的にはこの数倍は掛かるだろ

 うと懸念されま す。(施設は出来ても上記4)のような危惧は残りま

 す。)

6)他市県へのゴミの持ち出し費用が嵩むことが問題視されましたが、こ

 れはゴミ の運送費と施設費の事であり、久留米市内で処分するにしても

 タダという訳に はいきません。上記のような訳で市内の処分場はかえっ

 て高くつくことが懸念 されます。

 (しかし何時までも他所に迷惑はかけられませんし、急にゴミを無く

  す事も不可能です。)

7)焼却灰などの危険物を保管するための安全な大型施設がいろいろ開発

 されて、他所ではすでに使われており、市内には適当な代替地も有ります。

  将来を考えれば、そのように安全な施設を造るべきです。

8)寺尾谷のように稀少生物が20種も生育する処は県内にもまれであり、

 ここは将来をになう子供たちの環境教育の場として保存・活用すべきと考

 えます。

(ここに誰でも利用できる環境教育の施設を造れば、これまでに遣われた

 費用も無駄にはなりません。)

 ご存知のように、ダイオキシンは史上最強の毒物で、サリンの2倍、青酸カ

リの1000倍の毒性があるといわれています。ですからその影響力を測ると

き、ナノグラム(10億分の1g)やピコグラム(1兆分の1g)という超微

量の為の特殊な単位が使われる訳です。そこそこ水で薄めても大した意味はあ

りません。

 ダイオキシンなど環境ホルモン類の怖いところは、安全だと言われる程に微

量でも、僅かずつ生物の脂肪のなかに蓄積されて行き、ガンを発生させたり、

母体から胎児に影響を与えて様々な奇形を作り出す。しかも大気や水や食べ物

など環境の中に紛れ込んで生物に取り込まれ、ホルモン剤と同じ作用をして生

物の生殖能力を脅かす、それも微量な程効果を発揮するという点です。

 筑後川ではすでに数年前に雌化した雄の鯉が見つかっており、人間でも若者

の精子が壮年者の精子の半数程しかいない事や、精子の減少と同じく不妊症の

原因となる女性の子宮内膜症が増加している事などは環境問題に関わっている

者にとっては今や常識です。

水源地が環境ホルモン類で汚染されるということは単に筑後川と水道水がそう

なる事に留まらず、遠く有明海とそこに住む魚介類も汚染されるという事でも

あります。

「ペットボトルの水しか飲んでないから水道水なんて関係ない。」と言って

も、市販の殆どのジュースや菓子類、毎日の三度三度の食事には水道水が使わ

れています。

 また「うちは30万もする浄水機を付けましたし、親戚は遠くまできれいな

湧き水を汲みに通っていますから、水道水の汚染なんて心配ありません。」と

言う人もいます。しかしそうでしょうか、お孫さんやお子さんはこっそり市販

のジュースを飲まれることはありませんか?学校給食や外食はどうですか?

子や孫の結婚相手の条件にどんな水で育ったか、も加えますか?

 水道の水質次第で社会全体が不健康になります。不健康な社会はいずれ滅び

てしまいます。(医療費一つを考えても分かりますが、これは子孫の存続に拘

わります。)

ですから、300万人の水道水を猛毒で汚染する懼れが有る寺尾谷のごみ処分

場は、出来る前にストップさせなければなりません。

取り返しのつかない事をする訳にはいきません、汚染されてからでは遅いので

す。

 一部の関係者は“知っていた”のに問題を過小評価して、被害を途方もなく

拡大してしまった、あの水俣病や薬害エイズの過ちを繰り返してはなりませ

ん。

寺尾谷の場合はまだ間に合います。安全な施設の為なら代替地は幾つもありま

す。

 久留米市長は予定地の見直しを掲げて市長に当選したにも拘わらず、市民の

期待を裏切って14年も前に決まった寺尾谷に固執し、取巻きの市議達と共に

強行しているのです。状況は大きく変わっていますのに。

殆どの市議達はきっと不勉強でダイオキシンの恐ろしさや大断層や安全な施設

の事は知らないのでしょう、執行部の言いなりです。現地視察にも来ていませ

ん。

昨年1月に着工しましたがすでに1年半近く、反対する市民が身体を張ってな

んとか工事を遅らせている状況です。信念が有ればこその勇気と努力です。

 遅れ馳せながら、市民と流域の人達が自分達の水道水を守る為に勇気を出し

て早急に行動を起こさねばなりません。300万人の飲み水を自分達の出した

ゴミで汚染したとあっては久留米市民の恥じでもあります。

市長は、反対しているのは一部の住民だけと言い切っていますから、黙ってい

ては知らぬ内に建設に荷担した事になります。

だれも生命や子孫の存続に拘わる事を後回しにする訳には参りません。

お忙しいとは存じますが、どうかこの署名運動にご協力をお願いいたします。

 お知らせ頂ければ用紙をお送り致しますが、よければカンパとお思い下さ

ってそちらで、署名用紙をコピーしてお使い頂けますと助かります。

*毎月末に集計しながら当分の間続ける予定です。

*赤ちゃんやお年寄りなどのための代筆もかまいません。

*日本全国、外国の方の署名もOKです。

* 集めた署名用紙の送り返し先

 〒830―0062 久留米市荒木町白口374―3

         筑後川の水源を守る会 福田万里子

      (TEL・FAX、0942―26―8353)


◎パソコンをなさる方はぜひ木枯らし紋次郎こと中村敦夫議員の「全国悪行

 地図」をお開き下さい。

  http://www.monjiro.org/tokusyu/akugyo-map/top.html

                 

◎久留米市長と県知事へ電話やはがき、FAX、Eメールで抗議をお願いし

 ます。

   〒812―8577 福岡市博多区東公園7―7

           福岡県知事 麻生渡殿

        TEL 092―643―3000(代表)

        FAX 092―643―3009

        Eメール gov@pref.fukuoka.jp

   〒830―8520 久留米市城南町15―3

         久留米市長 白石勝洋殿

        TEL 0942―30―9000(代表)

        FAX 0942―30―9701

        Eメール hisyo@city.kurume.fukuoka.jp

◎ぜひ一度、寺尾谷を見においで下さい。(上記の福田までご連絡くだ

 さい。)

<福岡地区水道企業団取水口より取水された水の行き先>

福岡市、大野城市、筑紫野市、太宰府市、古賀市、前原市、春日市、

那珂川町、基山町、志免町、粕屋町、宇美町、須惠町、篠栗町、新宮町、

志摩町、基山町。

<福岡県南広域水道企業団取水口より取水された水の行き先>

 久留米市、大牟田市、大川市、筑後市、柳川市、八女市、小郡市、北野町、

大刀洗町、広川町、三潴町、大木町、城島町、大和町、高田町、立花町。

<佐賀県東部水道企業団取水口より取水された水の行き先>

佐賀市、千代田町、神埼町、中原町、上峰町、三田川町、三根町、北茂安町、

諸富町、川副町、東与賀町、東背振村。

福岡市の上水の約40%、久留米市の上水の約37%が問題の寺尾谷から来た

高良川の水が流れ込んだ水ということです。

                              以上

                   筑後川の水源を守る会 福田万里子