筑後川たより No.12 H13.3.15

                        

* 現在久留米市のゴミ処分場に予定されている寺尾谷は地滑り・崩壊の巣と

も言われるところで、だからこそ保安林に指定されてきたのです。(国指定の

土石流防止の保安林地帯)

* このような斜面に巨大なコンクリート板を敷ならべて処分場としたら、い

ずれ自らの重みでずれ壊れ、そこから流れ出た重金属やダイオキシンなどの超

有害物質で久留米市の地下や地下水、筑後川や有明海が広範囲に汚染されま

す。

最悪の場合、大量の焼却灰が施設共々、土石流となって高良川から筑後川

へと流れ下ることになります。勿論有明海まですべて汚染されます。

(焼却灰にはサリンより遥かに毒性の強いダイオキシン等が入っている)

* 寺尾谷に処分場を作って一旦それらの有害物質を地下や川や海にばら撒く

ことになってしまったら、もう取り返しはつきません。井戸水の汚染を監視し

ても汚染が分かった時はすでに手後れです。(何度もの裁判の証言で、久留米

市の言う“安全な施設”には、なんら根拠の無い事が判明しました。)

* 寺尾谷の水をふくむ筑後川の水は筑後大堰付近で取水され約300万人

(福岡都市圏、久留米市、福岡県南部、佐賀県東部)の水道水となっており、

流域の動植物や有明海の生き物を育んでいます。決して汚してはいけないので

す。

* 私達のごみの為に、寺尾谷処分場という巨大な汚染源を造り、子や孫に病

苦と財政負担と老人介護と異常な小子化の四重苦を負わせる訳にはいきませ

ん。


* 前埋立地の内野処分場では、埋め立てが始まってから近くの川の魚に奇形

が目立つようになり、沢山いた魚が今ではすっかりいなくなったそうです。

ここには医療廃棄物さえ捨てられていますし、重金属汚染の心配も有ります。

この処分場から染み出た水から、昨年高濃度の環境ホルモンが検出されまし

た。

30年来、内野処分場の近くに住み様々な異常を見聞きして来た高良内の人

達は、今度さらに上流の水源地に処分場ができたらまた何が埋め立てられる

か 分からず、汚水が洩れた場合の影響をとても心配しています。(ちなみに

内野処分場からの水は上荒木川を経て筑後大堰の下流に流入している)

* 地盤の弱い寺尾谷を処分場にしなくても代替地はいくつも有ります(うっ

かり言えないだけです)。すでに、小規模で本当に安全な施設が様々に考案さ

れていますから、そこにそれらを造った方がずっと安全で安上がりです。

* 先々の災害やその復旧のための費用などを考えれば、現在他県へ持ち出し

ている“ゴミ持ち出しの費用”は本当に安全な施設を造るまでの必要経費と言

えます。(ちなみに、一時的な処分場なら県内にも有ります。)

唯一の解決法は市民みんなで真剣に話し合う事です。結局それが一番の早道で

す。

市民全体で考えるところにごみ減量の成功が有りますし、それに見合う、より

適正な処分場の場所と施設の決定が市民の納得のうえでできます。

1  危険な寺尾谷処分場の着工をストップ!

2  専門家と市民代表、及び地区代表を市民から公募して「新ごみ問題協議

  会」を発足させ、誰でも傍聴できる場で施設や場所を決定し、デポジット

  制をはじめごみ減量の方法を検討をする。

3  市民はダイオキシンなどの素になるプラスチック類の利用を減らし分別

  をすすめて、極力ごみを減らし、ダイオキシン類や重金属類の発生を減ら

  す。(市民のごみの問題は、市民の話し合いで決める。それを奨めるのが

  市の責任です。)

* 3/29、初めて久留米市長が現地を視察。その後反対住民との対話が有

りましたが「安全な施設を造るから水汚染の心配は無い」と繰り返すばかり

で、これまでの裁判での専門家の証言は市長へ報告されていなかったかのよう

です。


* 市にとってこれほど重大な問題であるにもかかわらず、市会議員(賛成派

の31名)のうち現地を視察したのは数年前に当時の建設委員が一度きりとい

う無責任さです。

* 3/16に建設差止め訴訟が結審し現在判決待ちですが、裁判官の現地視

察もまだありません。

専門家たちも裁判の証言でこの場所と計画の危険性を充分指摘しています。

もし、この裁判で住民側が負けるようなことが有ればそれは、行政がからむと

裁判官も中立では有り得ないという事でしょう。   

                  筑後川の水源を守る会 福田万里子