銀月
〜あとがき〜
ガゼルディアで、メインルートをベースにした話を書いてみたいと思ったのは、実はかなり昔です。
ディアーナ以外で、アルムレディンと接点をもつ唯一のキャラクターが、ガゼルです。
他国の騎士でありながら「惜しいな」とアルムレディンに言わしめたあのシーンはけっこう好きで、メインルートを話の軸にしたとき、アルムレディンに真っ向から挑み、彼から認められうるのは、ガゼルだけだと思いました。―――まあ、他キャラファンにはいろいろと反論あるでしょうが。
書きたいと思ってから形にするまでにかなりの時間を経てしまいましたが、暖めていた間に感じた色んなことを話に盛り込めたので、いい意味での熟成がされているといいな、と思います。
各話こぼれ話。
第1話
ガゼルディアのはずなのに、ガゼルとディアーナが一緒にいない話。
さらに、一番書いてて楽しかったのは、シオンの謝罪をディアーナが遮り、シオンが跪くまでの一連のシーンだったりします。
「ガゼルディア書いてるんじゃなかったんかーい!」って自分でセルフツッコミ入れたくなりましたが(笑)
ちなみに初期稿では、ガゼルが向かった『北』は、微妙に行き先が違いました。
実はディアーナに纏わるキャラを総動員しようかと「北の魔王レーティス」を出す予定だったのです。ディアーナの危機と知れば動くだろうと思いましたし。―――まあ、あんなミリタリーバランス崩壊キャラ動かしたらガゼルの活躍の場なくなるのが書く前に推測できたので、ネタそのものを取り下げましたが(苦笑)。
第2話
ガゼルディアのはずなのに以下同文。
王女ディアーナ独壇場。そしてアルムレディンの役回りがけっこう酷です。降誕祭で出会ってる前提にしてるからなおさら。
書いたあとに気づいたんですが、ほんとーは、アルムレディンの一人称は「僕」、ディアーナに対する二人称は「君」なんですよね。書き直そうかと思ったんですが、読み返してみてやっぱりやめました。この話のアルムレディンは『王族』としての立場を意識的に前面にだしてるんで、「銀月」でのアルムレディンは一貫して「私」と「貴女」!口調は敬語!……でいくことにしました。
対するディアーナも王女の責務を盾に固辞してますし。いや、その根底にあるのは私情ですけどね?(笑)でも王女らしいディアーナを書けて、結構楽しかったです。
第3話
ようやくガゼルが活躍できました。
しかし騎士同士のガチ対決のはずなのにアクションシーンは殆どない。騎士モノとしてなにか間違ってる気がしないでもない。
そして1話でほのめかした、メイとシルフィスの暗躍のお話。最初はこれは事細かに詳しく書いていたのですが、主役を食う勢いで話が伸びまくったので、要点だけ書いて短くまとめました。
いやもう、ガゼルディアというよりクライン女性陣による細腕繁盛記になるところでしたよ。シオンとセイルもろくに活躍してないし。
アリサ登場と大樹破壊はメイのメインルートですが、今回メイはぶっ倒れさせたのでエーベルージュ設定に則り、アンヘルであるシルフィスに代行してもらいました。メイに破壊させるとシルフィスの活躍の場がなくなっちゃうという裏事情もあったんですけど(笑)、メイには超特急で時間を稼いでもらう方向に話を進めたかったんです。ゲームでのディアーナのメインルートだとシルフィスとメイがやってきますけど、あれ私少し違和感あったんですよね。いや、彼女らが来るのはいいんですが、ディアーナ出立のときにはまだ帰って来てなくて、追いついたら周辺諸国と同盟結び終わって派兵までしますよーって、そんなにすぐカタがつくわけなかろうと。あと、シナリオ的に戦争は避けなくちゃ不自然なので、いま少し外部要因が欲しかった、てのもあります。
第4話
アルムレディンのその後を含めた、エピローグにあたる部分です。エピローグというには長いですが。
メイの分も一緒くたにやってもらってはいますがシルフィス自身は彼女のメインルートとそう大きく乖離した行動はとっていません。
―――ので、この時点で白鴉はダリスの地下道にいて、かつ生き残っている設定になるわけです。
戦争を避けさせる外部要因のひとつとして、ダリスにアルムレディンを戻す前提で話を作っていたので、シルフィスをダリスに行かせる以上こーなるから、ここに触れないのはもったいないな、と思っていっそ白鴉を活躍させてみました。
なんとなくアルム×ノーチェぽく見えないこともないですが、彼らの間にあるのはもっとドライなものをイメージしてます。書くと冗長さが増すので割愛しましたが、もしアルムが愚王になれば、宣言どおり白鴉は躊躇いなく殺しにきますし、そこになんの感慨ももたない。その辺の感情のコントロールは、ファンタ界の誰より彼女が一番長けていると思っています。
………にしても、なんで私の書く女性陣は男性を凌駕するほど活躍してしまうのだろう。
フォローのつもりで書いてたのに、結局アルムレディンは名誉挽回できたのかどーか、激しく疑問です(笑)