移り行く日々

J.Kou

我が家の庭



我が家の庭にも雪が降った。雪化粧と云いたいが、廃屋の空き地の荒廃の感がある。だが雪が解ければ、正面は妻が手入れする花壇であるし、左手は私の菜壇である。草が多いから草壇といってもいい。
隅の緑のボックスは、野菜くずと土や草を重ねて、堆肥を作るはずであったコンポストである。熟成を促すべく、購入したなんとかの菌を時おり振りかけたが、うまくいかなかった。夏場には虫が湧いて、以来、あまり覗きたくなくなってしまった。
5人家族でトイレが1つだから、孫娘が、「入っているよ」と云った時には、待つのも面倒なので、この庭で用を足すこともある。スタンディング・スモール・トイレ、語学に堪能な人なら、おおかた分かってもらえるだろう。シッティング・ビッグ・トイレなら、当然、孫娘が出るのを待たなければならない。
季節が来れば、この花壇にだって、バラや水仙やピンクの花も咲く。いまは伏して時季を待つ仮の姿である。わが菜草壇にも、春が来たら鍬を入れ、種を撒こう。いたいけな芽が、緑の葉っぱをつけ、すくすくと育ってくれるだろう。
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