移り行く日々

J.Kou

図書館



生活の一コマに図書館を加えたら、知的学習の場として、どれほど有益なことだろう。私の家から徒歩20分ばかりのところにある。しかしここから借りたものと言えば、少ないビデオの中から、ケビン・コスナーの「アンタッチャブル」、グレゴリー・ペックの「紳士協定」、イングリッド・バーグマンの「ガス燈」、誰だったか「黒水仙」などである。「嵐が丘」もよかった。小さな活字よりは、どうしても映像の方に興味が向いてしまう。今、手もとにある本といえば、『ホームレス日記「人生すっとんとん」』である。しかしここまで落ちながらも、著作をものするのだから大したものだ。
その昔は、多少とも小説を読んだ。葛西善三、嘉村磯多、川崎長太郎、また永井荷風も好きであった。はたまた中学のとき読んだ「暗夜行路」の、女性の乳房を豊満だ々と、主人公の感動の描写を思い出す。しかしいつの頃からか、酒を飲みだした頃からか、読書の習慣をなくしてしまった。故ジャイアンツ馬場の読書には及ばぬとしても、今一度それを手もとに寄せたいものだ。
だが図書館を通り越して、ずっと先の酒場まで足を伸ばすところに、どうしようもない自分の弱さがある。

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