移り行く日々

J.Kou


トレーニング


運動公園


トレーニングといっては大げさだが、毎朝6時起床、70分ばかり歩くことにしている。そして草取り少し、シャワー、朝食となる。1日の出だしはきわめて健康的である。相撲風に白星発進はいいが、とかく後半に崩れやすい。時々あすてらすのプールへ行く。水中歩行のプールで、中高年者が多い。ご婦人も男性も、おおむね太めである。好き勝手を云えば、私はほっそりの人より重厚なご婦人の方が好ましいのだが、ご本人はそうもいかないらしい。涙ぐましい程の努力、ダイエットをされる。しかし中には、もはやどんな試みも手遅れかと見受けられる人もいる。もう好きなだけ食べて、太く短く生きたらどうですかと云いたいところを、ぐっと押えなければならない。
町の鰻屋へビールを飲みに行ったら、わこさんという堂々たる体格の娘さんがいた。かって学生の頃、相撲を取っていたそうである。女子柔道でなく、女子相撲とは本当かなと、初めて聞いたように思った。よし、わこさんに挑戦しよう、まず、しこ、てっぽう、すり足が基本だよね。次はわこさんの胸を借りてぶつかり稽古だね、と云ったら断られた。
昨日テレビで落語家が、歩くことに加えて、素振りを毎日150本やっているとのことであった。竹刀か木刀だろうが、私もそれをやろうと日頃思っていた。私も30代の頃、剣道を習ったことがあったから、いまも新品の竹刀が1本、家のどこかにある筈である。私はこれからも何かの形でトレーニングを続けたいと思う。更に年齢を重ねた時、寝たきりという敗残の姿を、永く人目にさらしたくないが為である。かの文豪永井荷風は、吐血の後
ただ1人、台所で倒れたのではなかったか。出来うれば、私もそんなようでありたい。
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