身辺日録

J.Kou


ジョグand ウォーク



朝5時半に起きて、田んぼの道沿いから川の土手を歩いた。腕を大きく振ると、肩の筋肉がほぐれるようで心地よい。時々駆け足も交えてはまた歩いた。カタカナと英国語で表わせば、ジョグandウォーク、いかにももっともらしい。時間がいつもより早く、コースを少し変えたせいか出会う人も少なかった。行き交う時のあの挨拶を、私は時に煩わしく感じることがある。人との出会いとばかり、にこやかな笑顔を出来る人は幸せである。早朝の歩行は、一日の始まりに一太刀浴びせたようで爽快であるが、布団の中の、いまだ目の覚めやらぬしばしのまどろみにも、捨てがたい味わいがある。健康と安楽と、こもごもに取ってよかろうと思う。私はことさらに健康志向でもない。大関ワンカップと、ビール2本を飲める腸胃があれば、それで不足はない。
いつぞやバイクで、運動公園へ出かけたが、老若男女さまざまなランナー達がいた。一人の女性の汗ばんだ顔を、夕陽が照らしていた。私はしばしの視線を、彼女に投げずにいられなかった。老人は色恋にも枯れると云う。しかし私は、それをなかなか信じられない。・
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