J.Kou


ふたたび吟行会へ


(古処山)


吟行会へまた入れてもらった。出入り2度めか3度めなので、ちょっと具合がわるかったが、先生も皆さんもにこにこして下さったのでほっと安心した。私は口の中で何かもぐもぐ云って、ぺこりと頭を下げた。仏の顔も、ということもあるから、今度は少し辛抱するつもりだ。81歳のかずさんも、82歳のともえさんも元気であった。今日の吟行の場所は、思案のあげく、城山公園ということになった。はじめ、元気のいい50歳のゆきこさんが、大宰府、と云ったときにはうんざりしたが、ここら辺りが手ごろである。あの花立山の麓であって、公園はさすがに風情があった。池にはバショウの花が咲き乱れていた。あとで誰かの句に「紫は水辺恋ふ色花バショウ」というのがあった。バショウは漢字なのだが、ここでは芭蕉としか出てこない。広々とした池に泳ぐ青鷺(さぎ)、大木メタセコイアの道、木立に響く夏鳥の声、バスでやってきた園児たちや、老人会の人たちにも出会った。ひときわ賑やかな鳥の群れに、あれは何でしょうと尋ねたら、雀でしょうと誰かが云った。句会所に戻り、10句の提出、私も久しぶりに首をひねった。下の5句がささやかな評価であった。私はこの人たちに付いて、もう一度自然に親しもうと思った。そして先生に改めて礼を云った。

 老鶯(おう)や句作の文字を止めて聴く   園児らのサッカーボールに夏の蝶 
 池の面を青鷺(さぎ)低くひくく飛ぶ     青鷺がゆらりと舞ひて池広し
 暑さ避けメタセコイアの蔭に入る

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