移り行く日々

J.Kou

と夜勤


丸山公園


(佳作)初秋や夜勤の支度整ひぬ 食堂の休業札に秋の風 史跡野の樹々いっせいに秋の蝉
     雨止みてのびやかに舞ふ秋の蝶
(凡作)ダンス曲窓辺にれて花木槿(むくげ) 散る花の吹かるる如し秋の蝶 (他4句)
一昨日の吟行会で10句提出のうち、佳作4、凡作6の結果であった。ダンス曲の句は面白かろうと思ったが、そうはならなかった。思惑が外れやすい、この辺りが私の力量である。
熟練の人は、10中8句まで、特選、準特、佳作などを占めることがある。何の道にせよ、一級の腕まで登るには、相当の忍耐と努力、加うるに嗜好と能力を要するのである。
冒頭の私の夜勤の句は、7月から始めた公民館の夜勤の仕事を指している。夜のとばりが下りる頃、公民館では、さまざまなサークル活動が行われる。ダンス、民謡、舞踊、保健気孔などと、人々はその好むところに、三々五々に集まって来る。40,50,60代、いくつの坂であろうと、人生の一夜ひと時を、心ゆくまで楽しむかのようである。とりわけ洋装和装の人たちは、華やかに見える。私の仕事は、それらサークルの受け付け、記帳、たまに労組の人たちのコピー取り、掃除、戸締りなどである。仕事を大事にしようと思えば、夕食をはやめに取り、懐中電灯、鍵などを確かめ、カバンに小説本の1つも入れて、定刻よりはやめに出かける。ビールの1本も飲みたい頃に、立場上の軽い緊張が生まれる。月に2度は、朝からトイレの掃除があるし、このような仕事をMさんと交代で行っている。
俳句やカラオケを学ぶにしろ、そしてたまさか夜のネオンを恋うるために、私にはこのような勤労が必要なのである。
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