仕事がおわった

私の仕事場の1つ、公民館の夜も9時を廻って、10時になれば終了となる。いま、会議室では、小学女教師の人たちの国語授業の研究会が行われている。13人の人数が10人に減ったようだが、6時に始まって延々4時間、その熱意と活力には驚く。そして次回を、更に3日後に予約された。子供たちの学力は、こうして健全に育つのであるか。あと数10分もすれば、私の仕事は明日から一区切りする。私はここ数日、別の仕事も続いて疲れていた。明日の朝寝が出来ることが嬉しかった。研究会が終わったら、戸締りをし、この寒気を一気に突いて、我が家へ車を飛ばすだけだ。そして暖かい部屋で、ビデオでも見ようか。勝新太郎の「悪名・続悪名」が久しぶりだ。戦後の闇市などが描かれていて面白い。明日から月の後半、私の生活は当分自由である。この間にカラオケの歌も、多少は念入りにやろう。しかしこの頃、今よりの上達がなかなか信じられない。凡庸の声の前に、努力の効空しとの感がしきりである。来週の句会に備えても、想念を巡らさなければならない。あわよくば傑作をなどと肩を張らなければ、分相応のものが出来るだろう。またギターに触れなくなってから、空白の時間が流れてしまった。時折り取り出しても、ぎっしり書き込んだ楽譜を見ると、もう元に返ることは出来ないように思えてくる。過去、辛うじて習得したことが、何もかも半端に終わりそうである。しかしこの先も、及ばぬながら微細の力を尽くすのであって、一切の努力を放擲するつもりはない。
ようやく研究会の女教師の人たちと、お別れの挨拶を交わすことが出来た。彼女たちも疲労したであろうに、しかしその声々には、若さゆえの華やぎが、なおも感じられるようであった。

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