仕事のない日の朝は、伸びやかな気分で目覚めることができる。足元のカーテンを開くと、柔らかな朝の日が差し込んでくる。ゆっくりと着替えて、台所で妻と朝食を取るのである。孫娘たちがあわただしく学校へ出かけた後の、静かなるひと時である。食事を済ますと、私は新聞を持って、また自分の部屋へ戻る。そして枕を明るい窓辺へと移すのである。一夜眠った夜具の足もとが、たちまち頭となって、そこへもぐり込み、新聞を広げるのである。暖かさの残る蒲団へ、満腹の身を横たえるのは、じつに心地よい。時計の針が10時を過ぎた頃、HPの写真を撮るべく外出の服装を整え、帽子をかぶった。このところ写真に不足して、去年の雪だの、古処山だの、運動公園だのばかり、再々多用してきた。ここらで鮮やかな清新のものが欲しい。カメラを持って外へ出たが、つまりは庭の大根だの、路傍の草花しか得られなかった。風光明媚を求めて、いそいそと遠出をするなどが、私にはなかなか億劫である。今週に、俳句会もカラオケもあることに思い至った。うかつにも準備不足と練習不足は免れない。私は美川憲一の「神威(カムイ)岬」のテープを鳴らした。いい歌だと思った。ゆったりと長閑であった筈の朝が、またたくまに過ぎていった。

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