移りゆく日々

J.Kou

映画

 北野武の映画をいくつか見たが、迫力がある。その男凶暴につき、座頭市、花火、BROTHERと国際大賞を得たも

のがあったが、いずれ劣らぬ一級の娯楽性を持った傑作である。私はいったいにギャングもの、ヤクザもの、時代劇、

西部劇が好きである。思いつくままに並べれば、ゴッドファーザー、仁義なき戦い、ワンス・アポン・ア・タイム、イン・アメ

リカ、ワイアット・アープ、ラスト・スタンディグマン、切腹、侍などと枚挙にいとまがない。

 黒沢明はもとより、木下恵介の叙情も好きであった。彼の名作、、野菊のごとき君なりき、は高校生の頃、20回位

見たかもしれない。原作は伊藤左千夫の野菊の墓であるが、農村の少年少女の悲恋物語に、いく度涙したか知れな

い。フランス映画の、ジャン・ギャバン、フランソワーズ・アルヌールのヘッド・ライトもよかった。中年のトラック運転手と、

貧しい娘との、所詮は遂げられぬ結末である。現金(げんなま)に手を出すな、望郷なども思い出す。モロッコ、外人部

隊などの、明日をも知れぬ男女を描いたものにも深く印象が残った。

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